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三木稔の音楽

 投稿者:ヘ音記号  投稿日:2017年 5月25日(木)14時10分51秒
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  今年は三木稔没後5年になる。彼の音楽を偲ぶ演奏会があった。それは三木氏創設による日本音楽集団第221回定期演奏会 (豊洲文化センターホール24日 )集まった三木稔フアンと、当日演奏の日本音楽集団メンバーの心が一つになった演奏会であった。

三木稔はなんといっても日本の創作オペラの第一人者。1975年に初演された「春琴抄」から2006年の「愛怨」まで、数多くのオペラを手掛けている。なかでも、1993年に鎌倉芸術館の杮落しで初演された「静と義経」など、懐かしく思い出される。台本は、なかにし礼で、3幕構成の充実したオペラであった。これは是非再演してほしい。静役は塩田美奈子と、宇佐美瑠璃が2日ずつ歌い分けていた。義経役は錦織健が全日歌い通した。しかも、我がムジカから合唱団に加わって活躍されたNさんが当時のプログラムに名記されている。そんな縁があってか、過去の鎌倉合唱連盟定期演奏会の講師として、三木稔氏から各団の演奏講評を頂いたこともあった。

ところで、上記24日の演奏会では三木氏以外にも、氏の影響を受けた作曲家三人の新曲が紹介された。例えば、アメリカ人、ドナルド・リード・ウォマックの「Three Trees 三木」は文字通り三木氏を三本の木に例え、第一楽章は生命の木として、再生力の強い桐材を使用した筝が主になる。第二楽章はきらめき揺れる竹林を表す尺八がアンサンブルの中心になる。そして第三楽章は堅木、すなわち硬い木を意味する琵琶の独奏に始まり、クライマックスの後、霧のように静かに終わる。ソロ奏者以外には尺八3人、二十絃筝3人、十七絃筝1人、三味線と打楽器2人といったグループに作曲者自身の指揮であった。

三木氏作曲の2曲は最初と最後に演奏された。一曲目の「二つの牧歌」では、横笛1名と打楽器2名で演奏。横笛は前半篠笛、後半能管と持ち替え。冒頭、笛と小つづみの強奏が勢いよく山里の朝を告げる。さらに、広い山裾の明るい一日が、若々しく太鼓や締太鼓で表現される。最後に演奏された曲のタイトルは「凸」。ここでは、奏者が三つのグループに分かれて演奏。舞台の左から高音尺八、十三絃筝、太棹三味線。中央に横笛、二十絃筝、琵琶。右に低音尺八、太棹三味線、十七絃筝と配置される。後ろ中央には日本太鼓が控える。こうして、演奏が左、右、中央と移り変わり、リズムも沸き立つ。曲の終りに近く、勢いよく打ち鳴らされる太鼓のリズムが腹に響いてくる。このように、見ても聴いても面白い演奏であった。このように、じっくり聴いた三木稔の音楽は我々の心にしっかりと息づいているのを感じた。
 
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